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2.不動産のインターネット広告について

2015年10月27日 西邨昭一

宅地建物取引業者が不動産の広告を実施する場合には、
宅地建物取引業法第32条の誇大広告等の禁止規定、
「不動産の表示に関する公正競争規約」等の広告の表示に関する規定
を遵守する必要があります。

 

1.複数の業者で同じ物件を取り扱っているのは何故?

“不動産を買いたい”と考えた方が情報収集を始める入り口は、

今やインターネットが多数派となっています。

宅地建物取引業者各社のホームページでも豊富な物件情報の提供を競い合っており、また、不動産情報サイト事業者が運営する、YAHOO!不動産、アットホーム、HOME’S…といった不動産ポータルサイトの認知度も高まりました。

ところで、新聞折込みチラシやインターネット上で、同じ物件がいろいろな業者から広告をされているのを見て、不思議に思われたことはありませんか?

 

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それは、宅地建物取引業者間の「不動産流通標準情報システム」、
通称「レインズ」を使って宅地建物取引業者間での物件情報交換をリアルタイムに行っているからです。

例えば、A社が売主から専任媒介契約や専属専任媒介契約により不動産の売却依頼を受けた場合は、「レインズ」にその物件情報の登録が義務付けられています。

そして、「レインズ」に登録された物件情報は、

A社及び売主からの広告掲載の承諾が得られれば、A社以外の宅地建物取引業者でも「レインズ」から物件の情報を得て、インターネットや新聞折込みチラシ等を通じて広告の掲載が可能 なのです。

というわけで、同じ物件が複数の宅地建物取引業者のホームページに掲載されているのです。

 

2.では、どこの宅地建物取引業者に依頼しても、物件情報は同じなのか?

 

不動産情報は宅地建物取引業者間で共有するシステム(レインズ)があるということがわかりました。

では、複数の宅地建物取引業者巡りをすることは、本当は無駄な労力なのでしょうか?

網羅的に物件情報が登録されている「レインズ」ですが、日本中の全ての情報が集約されているわけではありません。

例えば、売主が、「ご近所に内緒で売りたい」といった要望がある場合は、宅地建物取引業者は売主との間で、情報が目立たないように「レインズ」に登録をしなくてもよいことになっている一般媒介契約をすることが多くあります。
そのように未公開物件の情報が集まるのは、やはり各地域の情報に精通した地元の宅地建物取引業者となります。
「結局、どこに行っても同じ」と諦めることなく、地元をよく知り、親身になって相談にのってくれる宅地建物取引業者を探すことが、

理想のマイホームを手に入れるための重要なカギとなります。

 

3.インターネット広告の注意点

宅地建物取引業者にとって、多数の顧客が物件情報に対し容易にアクセスし得る環境を作り出すことができるインターネット広告は、
重要な広告媒体になっています。

また一方で、インターネット広告には本来的に更新が容易であるという特性があります。

一般消費者からみると、
著名なインターネット通販サイトが在庫の状況をリアルタイムに更新されていることから、
不動産広告も常に新しい物件の広告が掲載され、かつ、広告された物件は実際に取引することができるものと認識されていると思います。

しかしながら、不動産のインターネット広告の規制では、物件情報の更新期間について2週間程度まで許容されていることから、この期間内に成約済み等となった物件が掲載されていても、原則、「おとり広告」として取り扱われないため、実際に取引きすることができない物件が掲載されていることがあります。

ところが、一部の宅地建物取引業者においては、管理能力を超えた多数の物件広告を掲載していたこと等の理由により、成約済みとなった物件を削除することなく更新を繰り返す等適切な更新を怠ったために、長期間に亘り実際に取引をすることができない物件が掲載されている例や、事例としては多くはありませんが、宅地建物取引業者が一般消費者の関心を引くために、全く存在しない架空の物件を掲載していたり、成約済みの物件を掲載していた例もあります。このような状況は、「おとり広告」であり、広告規制に違反していると言わざるを得ません。
また、専有面積や駅からの徒歩所要時間を改ざんした不当表示も相当数発生しています。

インターネット情報サイトで気に入った物件を見つけた場合は、宅地建物取引業者の事務所に行く前に、その物件が既に契約済みになっていないか等物件情報を電話等で事前に十分確認しましょう。

違法な広告を行う業者は、取引についても信頼度が低いと思われますので、そうした業者からは物件を紹介してもらわない方が良いでしょう。

書いた人 西邨昭一(公認不動産コンサルティングマスター)

豊富な不動産取引実務経験に基づく不動産取引アドバイザー。