家を建てるときはどのような地盤であるかは重要なポイントになります。
調査方法などについてまとめてみました。
1.地盤の調査方法
- 観察調査
- 地形(低地・高台、従前の土地の状況、切土・盛土、等)
- 周辺の状況(道路、建物の状況)
- 資料調査
- 1.法務局(過去の地目)・・・・・・ 土地登記事項証明書・土地閉鎖謄本
- 2.国土地理院H.P・・・・・・・・・土地条件図・地形図・航空写真等
- 3.関東地質調査業協会H.P・・・・・大地の解体新書(地形図と現況地図の合せ図)
- 4.千葉県地質環境インフォメーションバンクH.P・・・地質柱状図等
- 地質調査
- 1.スウェーデン式サウンディング調査
- 2.標準貫入試験
2.地質調査報告書の読み方
- 1.N値とは
- 地盤の硬さを表す指標となる数値で、数値が大きいほど地盤が強固だと判定されます。
- 2.軟弱地盤の定義
- 軟弱地盤の数値上の明確な定義はありません。
旧建設省の判別の目安では、粘質土でN値3以下、砂質土でN値5以下が、国土交通省「宅地防災マニュアル」では、粘質土でN値2以下、砂質土でN値10以下が軟弱地盤とされています。また、N値50以上だと強固な地盤とされています。
3.軟弱地盤の改良工法の主な種類
- 1.表層地盤改良
- 基礎の下の軟弱地盤にセメント系や石灰系の固化材を入れて固める工法。
(軟弱地盤層が2m程度まで) - 2.柱状地盤改良
- 地盤を掘削しながらセメント系や石灰系の固化材を充填、撹拌し、軟弱地盤層に固化処理された柱を形成する工法。
(軟弱地盤層が8m程度まで) - 3.鋼管杭工法
- 地盤内に鋼製の杭を圧入する工法。(コストバランスから軟弱地盤層15m程度が限界か)
4.液状化について
地震の振動によって地下水位以下の密度の小さい砂地盤の砂の粒子同士を結んでいる摩擦力が外れ、砂が水の中に浮いた状態になることを液状化といいます。
液状化の要因としては、緩い砂地盤・高い地下水位・振動(地震)があげられます。
5.戸建住宅の液状化対策について
4.で説明した各地盤改良工法は軟弱地盤における建物の沈下対策を主目的として施工されるものでありますが、これらにつきましては地震時の振動を軽減し、液状化対策に対しても一定の効果があることが検証されましたが、十分な対策とはいえるものではありません。
建築基準法では、地盤は建築物を構成する材料として定義されていないため、液状化が起きても建物に影響が出ないよう対策を講ずることが義務付けられておらず、特に一般住宅の地盤対策に関してはあまり議論されてきませんでした。
今回の震災を機に、政府も漸く地盤への関心を示し、法整備を整えようとしていますが、一般住宅においての現実的かつ経済的な液状化対策工法は提案されていないのが実情であります。